インサイドセールスをまずはExcelやGoogleスプレッドシート等で手軽に始める方法を紹介するシリーズ。前回は顧客管理の基本となるテンプレートを作成する方法を解説しました。詳しくは前回記事『【インサイドセールス実践編】ExcelやGoogleスプレッドシートを活用したインサイドセールスの始め方』をご覧ください。
今回はテンプレートを活用しながら、インサイドセールスの進捗を管理する方法を解説していきます。
重要な顧客がわかるように情報を管理する
インサイドセールスの進捗を管理する上で、どのような情報を入力し、管理していけばよいでしょうか。必ずこうでなければならないというルールはありませんが、「重要な顧客がわかる」ということは念頭に置いておいた方がよいでしょう。
例えば、重要な顧客を特定する方法として「RFM分析」というものがあります。RFM分析では、Recency(最新性)、Frecuency(頻度)、Monetary(金額)に注目して、顧客の重要度を測ります。
インサイドセールスで置き換えるなら、Recencyは「最新接触日(直近でいつ接触したのか)」、Frecuencyは「接触回数(これまでに何回接触したのか)」、Monetaryは「受注見込額(受注金額はどのぐらいが見込めそうか)」といったイメージです。これに接触で得た情報を管理する備考欄を設けておけば、最低限の管理項目は満たせているといってよいでしょう。
接触日は近い日程の方がよいですし、接触回数が多ければ商談や受注が近そうです。また、受注見込み金額が高い顧客は優先的に対応が必要な可能性が高いでしょう。このように、どの顧客により優先的に対応しなければならないのかを判断できる情報を盛り込むことで、重要な顧客対応に漏れがないかを確認しやすくなります。
ここで記載した内容を反映すると、以下のようなイメージになります。
もちろん、RFMは一例ですので、他により重要な管理小目があれば追加・変更して全く構いません。ただし、管理項目が多くなりすぎないように注意しましょう。
顧客が受注までのどの段階にあるのかを管理する
インサイドセールスの役割において最も多いプロセスは「リード(見込み顧客)を商談につなぐこと」です。リードは接点を持ったばかりの新規の場合もあれば、商談につなぐ直前の段階であることもあるでしょう。顧客が受注までのどの段階にあるのかを管理しておくことは大変重要です。
この「どの段階にあるのか」はインサイドセールスの用語で「ステージ」といいます。リードのステージについては、『【インサイドセールス#4】有望なリードを育成するリードナーチャリングを解説!』の記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。
さて、ステージを仮に以下のように設定したとしましょう。
新規 … リード獲得したばかりのリード
関心あり … 資料請求があった、メール返信があった等
ニーズあり … ニーズの詳細をヒアリング済み、デモの希望等
商談 … 見積りや提案書の提示等
受注 … 受注にいたった(クローズ)
保留 … 発注時期の先送り等
担当者がこの中からステージを選択し、入力できるようするためには「入力規則」という機能を使うと便利です。下記は、Excelでの設定例ですが、Googleスプレッドシートにも同様の機能があります。
まず、入力規則を設定したい範囲を選択します。下記の例では「顧客ステージ」の列ですね。
そして、検索バーで「入力規則」と検索し、「データの入力規則」をクリックしてください。
「入力値の種類」を「リスト」にして、「元の値」に選ばせたい項目をカンマで区切って入れていきます。
これで、プルダウンで項目を選択できるようになりました。
顧客管理のテンプレートをカスタマイズしよう
上記の内容を参考に、ぜひご自分のチームで活用できる顧客管理のファイルを作成し、インサイドセールスの進捗管理を始めてみましょう。
顧客ステージはよりチームに適した分け方があるかもしれませんし、事業内容によっては過去の購買履歴が重要でここに入れるべき情報になるかもしれません。最適な形になるようにカスタマイズしていきましょう。まずは使い始めてみて、使いながら改善していく形で全く問題ありません。
今回の記事内容を反映した顧客管理テンプレートは下記からダウンロードできます。ご自分のチームに合うようにカスタマイズしてぜひ活用してみてください。
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