文章は、主語と述語を正しく書くことが重要です。
今回は「主語と述語のねじれ」について説明します。
主語と述語のねじれとは
不正解の選択肢である下記の文を見てみましょう。
佐藤さんの日課は、出社前に10キロのランニングをします。
この文の主語は、「日課」です。それに対して述語にあたるのは「ランニングをします」の部分ですね。つまりこの一文は「日課がランニングをする」という、あたかも日課というものが人のような意味になってしまっています。
もちろん日課はランニングをしません。ランニングをするのは「佐藤さん」です。このように、主語と述語の関係性がねじれてしまうと、意味不明の文になってしまいます。主語に対して、述語はどうあるべきかを考えて執筆しましょう。
読点以降の主語が変わってしまうケース
実際に執筆する文章は、上述の例文のような短い文ばかりではありません。下記の例文を見てみましょう。
新規事業の立ち上げ期は面白さを感じるのですが、運用フェーズに入るとスケジュールに沿って進めていくといったマネジメント要素の業務が多く、当時の自分は何かを管理するというのが得意ではなかったため、向いていなかった。
この文の主語は「当時の自分」です。そのため、「当時の自分は向いていなかった」という文になるわけですが、何が向いていなかったのかが少しわかりづらい文になっています。読者にとってわかりやすい文にするのであれば、
新規事業の立ち上げ期は面白さを感じるのですが、運用フェーズに入るとスケジュールに沿って進めていくといったマネジメント要素の業務が多く、当時の自分は何かを管理するというのが得意ではなかったため、 “新規事業は向いていない” と感じた。
と、何が向いていなかったのかを明記し、かつ述語にあたる表現は「感じた」という言葉に変えてみました。
このように、しばしば主語に対して述語がわかりづらい表現になっていることは往々にして起こりえます。長い文になったときは、あらためて何が「主語」で、何が「述語」にあたるのかを見直しながら執筆することが重要です。
POINT
主語と述語のねじれがあると、読者にとって読みにくい文章になってしまうため注意しましょう。
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