ユーザビリティ調査とは?

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マーケティング手法のひとつであるユーザビリティ調査についてご紹介します。

ユーザビリティ調査とは

対象者にある課題を与えて、実行した際に使いやすいところや、使いにくいところを調査する方法です。

アクセス解析のような定量データでは課題が発見できても、その原因まで特定するのは困難です。

原因の特定にはユーザビリティ調査(およびアンケート調査など)が有効で、実際のユーザーの意見を取り入れることで、原因究明に努めます

ただし、ユーザビリティ調査は成功確率が高い一方で実施コストも高く、時間もかかります。

ユーザビリティ調査のメリット

・ユーザー視点を持つことができる
→自分たちはあくまで開発者です。「サービス提供者にユーザー視点を持つことは不可能である」と思っていたほうが良いほどです。

・社内の他の人間に説明する際に最も強力な説得材料となる
→自分たちの顧客がそう言っている、顧客がここで最も迷っていた、という動画/写真/アンケートに勝る資料はありませんね。

・アクセス解析やアンケートではわからない課題を見つけることができる
→アンケートなどでは偽ったり、きれいな言葉を並べがちです。その点ユーザビリティ調査ではありのままを覗くことができます。

・顧客の人となり、生活リズム、思考を知ることができる
→ペルソナを想像するよりも、実際にターゲットとなる人に生活の様子や、趣味/思考を直接聞くことが顧客を知る近道です。

必要な備品(例)

1. ビデオカメラ

2. ビデオカメラ用の記録媒体

3. ビデオカメラ用の三脚

4. スマホ画面収録のためのPC

5. スマホ画面収録のためのusbケーブル

6. 延長コード

7. 領収証

8. 飲み物

9. 台本

10. 謝礼

11. 交通費

台本の作成(設問の事前構築)

調査当日に質問すること、あるいは依頼する予定のタスクを設計します。

また、それらを踏まえてスムーズに司会進行するためには台本形式で用意しておくと良いでしょう。

・質問例1)最近買った洋服はどちらで買われましたか?(ポイント:過去の事実をヒアリングすること)
・質問例2)その洋服を選ばれた際に一番気に入ったのはどの部分ですか?
・質問例3)(端から英語メニューを指差して順に)このボタンの意味を教えてください
・タスク例1)スマホでカバンを自由に探してください(ポイント:できるだけバイアスかからないようユーザーの普段の行動を観察すること)
・タスク例2)サイトXで、さきほどご覧になっていたアイテムをお気に入りに追加してください。

ユーザビリティ調査のポイント

テスト中は以下のことに気をつけること。

ユーザーテスト中には以下のことに気をつけること。

1) 定期的に思考発話を促す

テスト開始時に思考発話を依頼してもユーザーは慣れていないので気付いたら黙々と操作をしてしまう。定期的に「いま何を考えているんですか?」や「いま何を探しているんですか?」などと聞くことで思考発話を促し、その時のユーザーの心理を引き出す。

2)「?」を見逃さない

「あれっ?」「えっ?」「ん?」といった”疑問符”をユーザーが発した瞬間を見逃さない。このタイミングで「どうしました・・・」と介入することで、ユーザーは「?」について話し始める。

3)操作中のユーザーからの質問には答えず質問し返す

ユーザーが普段サービスを利用する際には、サービスについて質問できる相手はいないはず。「このボタン押せるんですか?」などと聞かれた際には「どう思います?」と聞き返すことでユーザー自身に解決させるようにする。

4)操作中にユーザーの認知を確認しない

操作中に「このアイコンはクリック可能なのですが気付いていますか?」や「画面上部に青いボタンがあるのに気付いていますか?」などの認知を確認する質問はしない。なぜならその質問によって気づかなかったはずの操作に気づき、その後の利用パターンが変わってしまうためである。そういった質問は一通りタスクが終了した後に振り返りの質問として聞く。

5)操作中はユーザーの顔もよく観察する

ユーザーの操作や発言だけでなく、ユーザーの顔からも多くの情報が得られる。むしろ操作上も問題なく、発言も否定的なものではないが明らかに顔に不満の色が現れている場合は、それを記録しかつその理由を問うべきである。

6)ユーザーが間違った操作をしていても沈黙を守る

ユーザーが操作中に何か間違った操作をしている時に、「それは違います」とつい言いそうになるが、グッとこらえて黙って観察を続ける。ユーザーが操作を間違えているときほど学びになる瞬間はないので、絶対に手助けをしてはならない。

7)あいづちはオウム返しで打つ

運営者側はユーザーに情報を与えないためにできるだけ発言するべきではないが、極端に黙っているとユーザーが緊張して操作にバイアスがかかってしまうのでオウム返しであいづちを打つと良い。「文字が小さいなー」とユーザーが発言したら「あー文字が小さいんですねー」と言う。

8)気になった行動があったらメモを取っておいて、タスクが一通り終了した後に聞く

操作中にユーザーが気になる行動を取った際に、その場でその理由を追求してしまうとタスク完了までの行動パターンにバイアスがかかってしまう。したがって、気になる行動は、それが発生したスクリーンとともにメモを取っておいて、タスクが一通り終了したあとに対象スクリーンを見せながら振り返って聞く。

その場の感情については後から聞いてもユーザーはそのときの感情を思い出せないため即時聞くべきだが、行動に関しては後から聞いても再現しやすいためタスク終了後に聞くと良い。

ユーザビリティ調査は手間がかかるが、改善のアイデアが大量に得られる

ユーザビリティ調査はコストと時間がかかります。

台本の作成、備品の準備、被験者の調達、テストの実施、アイデアの整理と工程は長く、数ヶ月要することになると思います。

しかし、消費者のリアルな声/動きを見ることができるので実りは多くなることでしょう。

他社事例を調査したり、自らサービスを利用してアイデアを考え出すことや、ブレストでアイデアを出し合うことを取り入れていきましょう。

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