マーケティングに活用できる分析手法のひとつ、RFM分析についてご紹介します。
RFM分析とは
データベースを使った顧客マーケティングで、顧客の購買履歴から「R:いつ、F:何回、M:何円購入してくれているか」のそれぞれにウエイトを付けて分類する手法です。
Recency(リセンシー):最新購入日
最新購入日を算出します。どのくらいの期間で分けるのがよいか、グループに属する顧客数や、集計の対象期間を考慮し決定します。
Frequency(フリークエンシー):購入頻度
一定期間に何回購買したかを算出します。Fが低い顧客が多い場合は顧客満足度が低い可能性があり、Fが高い顧客が多い場合は常連顧客(ファン)が多いということになります。ただしFの低い顧客が少ない場合は、新規顧客が少ない可能性もありますので注意しましょう。
Monetary(マネタリー):累計購入金額
一定期間の顧客ごとの合計購入金額を算出します。Fと同様に集計期間によって数字が変わります。
RFM分析の目的
1ヶ月前に購入した顧客と、2年前に購入して以来購入のない顧客では、
どちらの方が今後の購入に繋がりやすいでしょうか。
前者のほうが購入意欲が高いと想像できます。また前者の方がレスポンス率が高い傾向があり、最近購入した顧客の方が、何年も前に購入した顧客より良い顧客と考えます。
では、1回だけ購入したことがある顧客と、10回購入履歴のある顧客では、
どちらの方が今後の購入に繋がりやすいでしょうか。
こちらは後者の方がブランドに愛着があると想像できます。また後者の方がレスポンス率が高い傾向があり、購入頻度が高いほど良い顧客と考えます。
最後に、累計購入金額が10万円の顧客と、累計購入金額が1万円の顧客では、
どちらの方が今後の購入に繋がりやすいでしょうか。
前者の方が購入意欲が高いと想像できます。金額が大きいほど良い顧客と考えます。
このようにRFM分析は、R・F・Mで顧客を分類して優良顧客を見つけることで、販促活動の費用対効果を改善したり、自社の課題を発見することなどに役立ちます。
RFMの一般的な考え方
実際には製品やサービス内容によって分析結果の判断が変わりますが、RFMの一般的な考え方を8つご紹介します。
(1)Rが高い顧客ほど将来の収益に貢献する可能性が高い
(2)FやMが高くても、Rが低ければ他社に奪われ、離反されている可能性が高い
(3)Rが同じ顧客であれば、Fが高いほど常連客となっている
(4)Rが同じ顧客であれば、FやMが高いほど購買力がある顧客となる
(5)Rが高くても、Mが少ない顧客は購買力が低い
(6)Fが低く、Mが高い顧客は、Rの高い顧客が良い顧客となる
(7)Fが下がっている(または上がらない)顧客は他社に奪われている可能性がある
(8)RFMすべてが低い顧客は切り捨てる検討の必要もある
RFMの定義
通常、ランクは3~5つに分類します。ランクをどこで区切るかは重要な問題であり、業界、商品、用いるデータの期間などによって分け方を検討する必要があります。
まずはRFMそれぞれのデータをヒストグラムでどのような分布になっているか確認しましょう。その際、データの偏り(値の差)が激しくグラフ化してもわかりづらい場合には、対数グラフを使います。
ヒストグラムで分布が把握できたら、どのように定義したら問題を見つけやすいのか、検討しましょう。その際、セールなどの購買意欲が増す時期や、一定額以上の購入で送料無料といった定性的な要因も考慮しましょう。
RFM分析の方法
RFM分析に使用するデータの準備をしましょう。
①下記項目が含まれる売上データを管理システムからダウンロードします。
・注文を識別できるID(注文IDなど)
・顧客を識別できるID(ユーザーIDなど)
・購入金額
・購入日
②顧客別に「最新購入日」「購入回数の合計」「購入金額の合計」を算出します。
③最新購入日から本日の日付(データ抽出日)までの経過日数を算出します。
④RFM各項目の分布をヒストグラムにして把握します。
下記より一般的なRFM分析のサンプルフォーマットをダウンロードできます。
POINT
RFM分析はExcelで簡単に行うことができます。フォーマットを参考にして実際にデータを作成してみましょう。また季節・天候・セールなど定性的な要因にも留意して行いましょう。
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