前回記事『【インサイドセールス#5】ステージごとの有効なアプローチ方法は何? インサイドセールスのコミュニケーションを解説!』では、リード獲得から受注までのアプローチ方法を「顧客とのコミュニケーション」と捉えて、詳細を解説しました。インサイドセールスで様々なアプローチをするためには、誰がどのような役割を担えばよいのか、組織設計について解説します。
インサイドセールスに必要な役割を理解しよう!
インサイドセールスに必要な役割は多岐にわたりますが、一般的に多くのケースで必要となる役割を考えてみましょう。ミニマムなチームを考えると、管理者と担当者の2つの役割が最低でも必要です。管理者はインサイドセールスマネージャーと呼ばれることもあります。
インサイドセールスマネージャーはチームの戦略を設定し、目標達成に向けてどの顧客にどのようなアプローチをするのか方針を決定します。また、他部門とのコミュニケーションや業務調整を行うのもマネージャーの役割です。一方、インサイドセールス担当者は部門の戦略・方針に沿って、実際に顧客にアプローチを実施していく役割です。
規模によっては、マネージャーをサポートする役割も必要です。例えば、データアナリストは戦略や方針策定にあたって必要なデータを集計・分析し、目標達成をサポートします。また、進捗や結果を資料にして報告するレポーティングの役割も担います。
インサイドセールスでは、様々なITツールを使用することが多いため、技術的な問題を解決するサポートエンジニアが置かれることもあります。サポートエンジニアは顧客からの技術的な問い合わせに応える役割を担うケースもあります。
インサイドセールス担当者もさらに役割をわけることができます。例えば、「製品」と「顧客」でわけるケースです。基本的には製品ごとに担当者を配置し、大手顧客や重要顧客には顧客別の担当者を配置するといったケースがあります。
どのような組織体制になるのか?
前述した各役割を踏まえて、どのような組織体制が考えられるのかを解説します。まずは数名の小規模なチームを例に考えてみましょう。例えば、3名のチームであれば、マネージャー1名と担当者2名になります。小規模なチームではマネージャーが大口顧客を担当し、担当者を製品や地域別または新規顧客・既存顧客別等に担当する形が考えられます。データの集計・分析はマネージャーが担当するか、各担当者が個別に担当することになるでしょう。
次に数十名の中・大規模なチームを考えましょう。中・大規模なチームではマネージャーは管理業務に徹することが望ましいので、顧客別・製品別の担当や集計・分析の担当を置くのがよいでしょう。例えば、下記の図のような体制が考えられます。規模が大きくなってきた場合は、それぞれの役割が明確になるように定義をしておくことが重要です。
<役割分担例>
マネージャー:
部門の目標設定や戦略立案・顧客アプローチの方針立案を担当する。また、目標達成に向けたメンバーのフォロー、進捗や結果の報告・共有、他部門とのコミュニケーションも担う。
大手顧客グループ:
顧客数1,000名以上の企業を担当する。新規・既存の別なく、顧客の要望に合わせたカスタマイズや迅速かつ臨機応変な対応を実施し、大手顧客からの売上最大化を担う。
新規顧客グループ:
顧客数999名以下の新規顧客の開拓を担当する。リード獲得やリードへの製品・サービスに関わる情報提供や検討のフォローアップ等を行い、成約もしくはフィールドセールスにつなぐ役割を担う。
既存顧客グループ:
顧客数999名以下の既存顧客の継続促進を担当する。製品・サービスへの利用促進サポート、情報提供、問い合わせ対応等を通して顧客満足度を高め、継続利用を促進する役割を担う。
サポートグループ:
顧客情報の管理やインサイドセールスの進捗・結果の集計・分析等を行い、各グループの目標達成をサポートする。顧客に提供するデータや資料作成等も担当する。
まとめ
今回はインサイドセールスの組織にはどのような役割があり、どのような体制が考えられるのかを解説しました。まずは管理者と担当者がミニマムの役割ですが、組織規模に応じて、大手顧客へのアプローチ、新規・既存顧客別、製品別等の役割分担が考えられます。また、データの集計・分析、レポーティングや技術的なサポートができる役割を置けるとなおよいでしょう。記事を参考に、ご自分の組織の体制を考えてみてください。
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