製造業は日本のGDPの約20%を占める国の経済を支える主要産業ですが、他の業界同様世界的なシェアや競争力は低下してきています。他の業界でも同様の問題はありますが、製造業では特に慢性的な人手不足、属人化による部分最適、設備の老朽化などが大きな課題となっています。
上記課題を解決し、大幅な生産性改善を行うためにファクトリーオートメーション( FA )をはじめ、DXの推進が急務となっています。
すでに大手企業では実施が進んでおり、これから検討される方は成功事例を参考にしていただければ幸いです。
DX事例 : 営業システムのデジタル化
全国展開しているトヨタの販売会社は、販売会社ごとに異なる営業スタイルでした。本社はデータを蓄積、活用する必要性に早期に気づき、2016年から営業支援システムの刷新に着手しました。
顧客情報の一元管理、クラウドが持つ特性を活かすべく、従来使用していたオンプレ基幹システムとクラウド型CRMのSalesfoceを連携させ、オンプレミス/クラウドの区別なくデータを活用できる仕組みを販売会社ごとに整えました。
参考 : トヨタ販売店営業支援システム一新プロジェクトの裏側
DX事例 : ARの活用
BMWは新たな販売機会獲得のため、ARを駆使し、実物大の車を鑑賞、カスタマイズすることで、試乗と同様の価値を提供することに成功しました。
これにより、実際の試乗前に試乗に近い体験が出来るため、購入の決断までの時間が短縮されました。
ARの活用による体験は車に限らず住宅や家具など様々な製品でも需要があり、今後注力されていく領域の1つと考えます。
DX事例 : 3Dプリンタ活用による生産サイクル向上
木村鋳造所では3Dプリンタを活用し、作成に数カ月必要な従来の木型制作から、砂を使用した鋳型を3Dプリンタで出力し、そこに金属を流し込む方法へシフトしました。
この手法により、鋳物内部に複雑な空洞などを再現可能となり完成品の精度向上と、大量生産、短納期を実現しているため、試作品としての需要が伸びています。
DX事例:通信システムなどで遠隔操作,管理が可能なシステム
株式会社小松製作所は、通信システムやGPSで、建設機械の情報を集約して遠隔で操作や管理ができるシステム「KOMTRAX」を提供しています。
具体列としては、エンジンの遠隔操作や残りの燃料確認、故障状況などを一元管理できます。
ユーザー側は「機械の盗難防止」「建機の稼働率向上」「保守コストの削減」「適正価格での売却」などの付加価値が提供され、小松製作所側は「稼働状況のデータから機械の需要予測をすることで過剰在庫が抑えられる」「エンジンの遠隔停止ができるのでローンの支払いが滞るリスクが減少する」などのメリットがあります。
DX事例:故障診断アプリで故障等のダウンタイム削減でユーザーの収益減少を抑制
クボタは故障診断アプリを提供しており、故障などによるダウンタイム(稼働停止時間)の削減によってユーザーの収益減少の抑制を実現しています。
エラーコードや不具合症状を入力するだけで手順等が表示されるため、迅速な修理を可能とするシステムの開発でユーザーの業務負担を削減させました。
3DモデルとARを組み合わせ、スマートフォンをかざすことで建機内部の故障箇所や対象部品の特定をビジュアルで認識できる機能を搭載。建機の内部を実際に確認する手間を省くことで、効率的な修理が行える
引用 https://monstar-lab.com/dx/portfolio/case_kubota-diagnostics/
ソリューションとしてはアプリケーションで必要要件は満たしていた上で、ユーザビリティに配慮し、より使いやすく効率を高めるため3DモデルとARを導入、また拡張性を担保するためFlutterを採用するなど、長期視点でのDXプロジェクトのため、今後の活用や展開にも期待が高まります。
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