テレワークの作業内容や予算等により、様々なテレワークの方法が考えられます。
この記事では6種類のパターンをご紹介します。
6種類の業務パターン
大きく分けて下記6つの業務パターンがあります。
主に「テレワーク端末に電子データ保存の有無」「オフィス業務環境の再現」の2つのポイントにより、パターンが分かれます。
各パターンにより、インターネット回線の速さや、クラウドサービスの利用の有無が必要になります。
特徴 | 電子データの保存先 | 業務環境 | インターネット回線 | |
---|---|---|---|---|
パターン① (リモートデスクトップ方式) | オフィスにある端末を遠隔操作 | オフィス端末 | オフィスワーク時と同じ環境で業務可能 | 速さが必要 |
パターン② (仮想デスクトップ方式) | テレワーク用の仮想端末を遠隔操作 | オフィス端末 | テレワーク端末の環境 | 速さが必要 |
パターン③ (クラウド型アプリ方式) | クラウド上のアプリーションを社内外から利用 | オフィス端末 テレワーク端末 | テレワーク端末の環境 (クラウド型アプリはオフィス環境を利用可能) | 速い方が望ましい |
パターン④ (セキュアブラウザ方式) | 特別なブラウザを用いて端末へのデータの保存を制限 | オフィス端末 | テレワーク端末の環境 (専用ブラウザ経由のサービスはオフィス環境を利用可能) | 速い方が望ましい |
パターン⑤ (アプリケーションラッピング方式) | テレワーク端末内への保存を不可とする機能を提供 | オフィス端末 | テレワーク端末の環境 | 速い方が望ましい |
パターン⑥ (会社PCの持ち帰り方式) | オフィスの端末を持ち帰りテレワーク端末として利用 | テレワーク端末 | オフィスワーク時と同じ環境で業務可能 | 問わない |
6つの業務パターンをご紹介します。
パターン①(リモートデスクトップ方式)
オフィスに設置されたパソコンなどの端末を、テレワーク用の端末から遠隔操作や閲覧する方法です。メリットとして、オフィスで利用している時と、同じ環境が利用できます。
今までオフィスで実施していた業務を自然な形でテレワーク環境でも継続して行うことができます。
また作業結果の保存もオフィス側の端末に保存することができ、テレワーク環境で利用する端末に電子データを残さないようにすることができます。
一方デメリットとして、テレワーク用の端末とオフィスを接続するインターネット回線で十分な速度が確保できなければ、操作性が低下してしまいます。
パターン②(仮想デスクトップ方式)
オフィスのサーバ上に仮想デスクトップ基盤(VDI)を構築し、テレワーク用の端末から遠隔でログインする方法です。
リモートデスクトップ方式と同様に、テレワーク用の端末に電子データを残さない点がメリットですが、インターネット回線の速度次第では、操作性が低下してしまいます。
また仮想デスクトップ方式では、オフィスに端末を用意しておく必要がありません。仮想デスクトップの環境はシステム管理者が一括で管理することができるため、均質的なセキュリティ対策を実施することができます。
パターン③(クラウド型アプリ方式)
インターネットのクラウドサーバ上で提供されるアプリケーションにアクセスすることにより、作業を行う方法です。
アプリケーションで作成したデータの保存先は、クラウド上がローカル環境を選択することができます。そのためテレワーク用の端末にデータを保存することも可能です。
「リモートデスクトップ方式」や「仮想デスクトップ方式」とは違い、テレワーク用の端末とクラウドサーバ間のインターネット速度が操作性に及ぼす影響は限定的です。
パターン④(セキュアブラウザ方式)
「クラウド型アプリ方式」の安全性を高めた方式です。
特別なインターネットブラウザを用いることで、ファイルのダウンロードや印刷などの機能を制限することができます。テレワーク用の端末に業務で利用するデータを保存しないように調整することができます。
このように安全性を高めることはできますが、利用できるアプリケーションはこの特別なインターネットブラウザ経由で有効なものに限られます。
パターン⑤(アプリケーションラッピング方式)
テレワーク用の端末内に「コンテナ」と呼ばれる、ローカル環境とは独立した仮想的な環境を設けて、その中でアプリケーション(文書作成、インターネットブラウザなど)を動作する方式です。
コンテナ内で動作させているアプリケーションのデータは、ローカル環境に保存することはできないため、テレワーク用の端末にデータを残さずに業務を進めることができます。
またコンテナ内で動作させるOSやアプリケーションは、テレワーク用の端末にインストールされたものを利用するため、インターネット速度の影響も受けにくい利点があります。
パターン⑥(会社PCの持ち帰り方式)
オフィスで利用している端末を、社外に持ち出して作業を行う方法です。
在宅でテレワークを行うためにはオフィスから端末を持ち帰る必要があり、オフィス勤務とテレワークが併用される場合は、常に端末を携帯する必要もあります。
また、テレワーク端末に電子データを保存することが前提のため、厳格な情報セキュリティ対策を端末に対して行う必要があります。情報漏洩対策としてVPNで接続することや、人が多い場所では利用しないなど、運用ルールも設けましょう。
POINT
様々なテレワークの方法が考えられます。業務内容やセキュリティに応じて方式を選びましょう。
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