Q&A形式で執筆する場合、質問文はインタビュー時の質問内容をそのまま用いるのではなく、興味を引く質問文に仕上げましょう。
記事が最後まで読まれないのはライターの実力不足
たとえどんなに人気のある方がインタビュイー(話し手)として記事に登場したとしても、惹きがなく、分かりにくくてストレスを与えてしまう内容の記事では、読者は最後まで読んでくれません。記事が最後まで読まれないのはライターの実力不足が原因であるととらえ、読者が「思わず面白くて最後まで一気に読んでしまった」といった感想を持つようなインタビュー記事に仕上げるべきです。
では、最後まで読んでしまう面白いインタビュー記事を仕上げるためには、何に気をつければ良いでしょうか。1つは前回お伝えした通り、読者の惹きをつくる記事構成にすること。そしてもう1つは、読者が読みやすい表現、理解しやすい表現で記事を執筆することです。
たとえばインタビュイーは考えながら発言しているため、実際の会話では文脈から理解できることでも、文字にして見ると一文が長かったり、主語がわかりづらい等、とても読みづらく理解しにくい文章になっています。また、耳で聞いて理解しやすい日本語と、読んで理解しやすい日本語は違うため、話し言葉を書き言葉に変換し、また読者が理解しやすいよう、ときには意訳してインタビュイーの発言をまとめていくことも重要です。
質問文も、インタビュー時の質問内容をそのまま用いる必要はない
そして一般的なインタビュー記事の形式であるQ&A形式で執筆する場合、質問文はインタビュー時の質問内容をそのまま用いるのではなく、読者が「そうそう、それを聞きたい!」と思わずうなずいてしまうような、興味を引く質問文に仕上げることも重要です。
たとえば、インタビュイーのこれまでのキャリア遍歴をインタビューで質問したとしましょう。下記の例をご覧ください。
▼インタビュー取材時の質問そのままの場合
―― 高橋さんの、これまでのキャリア遍歴を教えて下さい。
▼読者の興味を引く質問文に変えた場合
―― 高橋さんはこれまで飲食店を経営されていたにも関わらず、なぜIT業界へ転身したのでしょうか?
取材時の質問そのままでは、読者が「高橋さんのキャリアを知りたい」と思う動機づけが弱い状態です。しかし、後者の場合は読者に「その理由が気になる!」と読み進める動機づけができています。
このようにインタビュー記事において、質問文は読者の記事を読む動機づけ要素となるため、取材時の質問にこだわらず、記事として読者の興味を引いているか、という視点を持って執筆することが重要です。
POINT
取材時の表現にこだわらず、読者が思わず読み進めたくなる表現で執筆することが重要です。
コメント