ユーザがサービスを知ってから実際にサービスを継続的に利用するまでの分析手法について5つのカテゴリーに分けて紹介します。
[1] アクティベーション率
アクティベーション率とは?
初回ユーザが製品にサインアップした後、製品の価値を実感できるような特定のアクションを起こしたユーザーの数を指します。
サービスの価値を認知し、今後も継続的にサービスを利用してくれるようになるためのプロセスです。
このプロセスではサービスにどんな価値があるのか、どんなメリットがあるのか、どんな体験をさせてくれるのか、という観点でユーザを魅了することが重要になってきます。
そこでよく取り入れられるのがユーザオンボーディング(チュートリアル)です。チュートリアルによってアプリやサービスの使い方を説明します。
ただ、とにかく使い方を説明すればいいというわけではありません。チュートリアルが長すぎると、ユーザに嫌悪感を抱かせてしまい離脱してしまうこともあります。そのためオンボーディングではシンプルかつ最もサービスを体験してくれるような設計が必要です。そして、翌日継続率が落ち込んでいる場合は、オンボーディングフローから見直しましょう。
参考:業界別平均継続率
【出典】Mobile Apps: What’s A Good Retention Rate?
http://info.localytics.com/blog/mobile-apps-whats-a-good-retention-rate
[2] アクセス分析
分析はまず計測することに始まり、その後「何かしらのデータと比較」することで発見を得ることが可能です。(推移をみることも過去データとの比較の一種)また、アクセス分析は基本的に数値の推移や比較の際に用いると便利です。
例)
①過去データと比較する
②パターン別に比較し分析する(A/Bテスト)
③競合との差分を比較する
[3] マジックナンバー分析
マジックナンバー分析とは?
初回利用時の特定のアクションと、その実行回数が継続率にどう影響するかを調べ、サービスグロースに直結するような重要な行動を発見するための分析手法です。
Twitter社は「初日に5人以上フォローしたユーザーは継続率が高い」という法則を発見いたしました。
そこでTwitter社は初回登録時におすすめユーザーのレコメンド機能と、5人以上のフォローを必須にし、ユーザーの継続率を大幅に上昇させることに成功しました。
マジックナンバー分析のポイント
実行率が低く、継続率が高い行動を訴求することで大幅な改善が見込めるため、カギとなるアクションを見極めることが重要です。 マジックナンバー分析は最初に課題の大枠をつかみ、次の課題深堀のための分析につなげる為、施策としてただ行動訴求すればいいというわけではありません。施策に直結するような分析ではないということを常に意識して利用しましょう。
今回の場合では、なぜ「商品詳細閲覧」を実行していないのか?そこまでのファネルやUIUXに問題がある可能性があるため、商品詳細閲覧実行ユーザと非実行ユーザの行動比較をしたり、ファネル分析でそこまでの離脱ポイントを探すことで課題の真因に近づくことができます。
[4] 行動比較
行動比較の代表例
①マジックナンバー分析
→行動と継続率の相関関係を分析する
②行動差分分析
→特定の行動をしていいるユーザとしていないユーザーでどんな行動の差があるのかを分析します
③流入経路別分析
→流入元別に継続率にどれほどの差があるのか、コンバージョン率にどれほどの差があるのかを分析することで最適な広告媒体やターゲットユーザを選定します
④ランディングページ分析
→ユーザが最初に訪れたページ別にエンゲージメントの高低を把握します
[5] 過去起動日数別ユーザ数
起動日数別ユーザ数の分析
ある日を起点として、直近7日間の内、何日起動したかによってユーザをセグメンテーションし、それぞれの層のユーザ数を可視化する分析手法です。過去n日間起動日数別ユーザ数の推移を分析することで、エンゲージメント別のユーザ動向を可視化することができます。
例えば広告実施した際にFQの数字が大きい層がどれだけ増えるかをモニタリングすることで、エンゲージメントの高いユーザを獲得できたか否かを把握することができます。また、アプリ内の改善により低エンゲージメントユーザから高エンゲージメントユーザにどれだけ成長させたかを可視化することも可能です。
下記よりサンプルフォーマットをダウンロードできます。
G_040205_template_FQlayer_201907050346
POINT
アプリの継続率は下記のように業種によって大きく異なります。自社のアプリの業種を理解した上で、指標も意識するのが大切です。
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